PIGNOTE
校閲とは、原稿の誤字脱字や表記の揺れだけでなく、事実関係や論理の矛盾、不適切な表現の有無まで幅広くチェックし、修正することです。「校正」や「校了」と混同されやすい用語ですが、それぞれ役割が異なります。
本記事では、校閲の意味や校正・校了との違いを整理したうえで、実際の校閲作業で押さえておきたいポイントについて解説します。文章の品質を高め、読者からの信頼を得られる記事作りの参考にしてください。
校閲とは?
校閲とは、原稿の内容をチェックして、誤っている箇所を修正することです。
具体的には、誤字脱字や表記の揺れの修正に加え、事実関係の確認(固有名詞やデータの数値など)、コンプライアンスを遵守した表現かどうかなど、あらゆる視点から文章をチェックします。
ここでいう「表記の揺れ」とは、同じ意味の言葉であるにもかかわらず、同一文章内で表記の仕方が違っている複数の語句が混在していることをいいます。
例えば、「引越し・引っ越し」「振込み・振込」「物・もの」などの言い回しが、1つの原稿の中でバラついている状態です。
こうした誤字脱字や表記の揺れの修正に加え、文章の内容に誤りがないかという点も校閲の主なチェックポイントです。内容の正確性を高めるために、学術的な文献や国・国際的な権威のある機関の情報を調べることもあります。このほか、全体の流れや見出しの構成なども校閲のチェック対象に含まれます。
校正・校閲・校了の違いを比較
校閲とよく似た言葉に「校正」と「校了」があります。3つの違いを表で整理すると、次のようになります。
| 校正 | 校閲 | 校了 | |
| 何をするか | 表記・誤字脱字などの形式面をチェック・修正する | 事実関係や論理・表現内容まで踏み込んでチェック・修正する | すべての確認・修正が完了し、公開・入稿できる状態になること |
| チェックの対象 | 誤字脱字、全角半角の違い、スペルミスなど | 事実確認(固有名詞・数値)、差別的表現の有無、構成、リンク先の正誤など | (チェック作業ではなく「状態」を指す) |
| 位置づけ | 校閲より前の工程 | 校正のあと、公開前に行う最終チェック | 校閲が完了したあとの状態 |
それぞれの違いを、具体例とあわせて詳しく見ていきましょう。
校正と校閲の違い
校正と校閲の違いは、校正が表記の誤りなどのミスをチェック・修正するのに対し、校閲は誤字脱字などの表記ミスから内容の正確性まで幅広くチェック・修正する点です。
校正において具体的にチェックするのは、誤字脱字、全角半角の違い、英語のスペルミスなどのミスになります。
例えば、次のような文章があるとします。
わずか10〜20秒のテレビCNを放映するだけでも他額のコストがかかりますが、それだけ高価が大きいということです。
この文章を校正すると、どうなるでしょうか。校正の役割に則って修正してみると、次のように修正することができます。
| 原文 | 修正 | 修正内容 |
| 10~20 | 10~20 | 全角 → 半角 |
| CN | CM | 誤字、スペルミス |
| 他額 | 多額 | 誤字 |
| 高価 | 効果 | 誤字 |
このような誤字脱字、全角半角の違い、スペルミスなどのミスを修正するのが、校正の役割になります。
一方、校閲において具体的にチェックするのは、事実関係の確認(固有名詞やデータの数値など)、コンプライアンスを遵守した表現かどうか(差別などの不適切表現はNG)、全体の流れや見出しの構成、リンク先が正しいかどうかなどです。
先ほど校正を解説する際に使用した例文を使って、校閲についても具体的に解説します。修正する箇所は、校正と同じ4ヶ所です。校閲は、文章の内容の確認だけでなく、誤字脱字など校正でチェックするミスをチェック・修正する役割も含まれます。
さらに、4つの修正箇所のうち具体的な数字を用いている「10~20」については、テレビCMの秒数として正しいのかどうかを確かめる必要があります。通常テレビCMは基本15秒で、30秒、45秒、60秒のような放映時間になっているため、次のように修正します。
| 原文 | 修正 | 修正内容 |
| 「10~20」 | 15~60 | 全角 → 半角、テレビCMの正しい放映時間 |
校閲は文章の正確さについても確認しなければならないため、このようなテレビCMの放映時間もチェックする必要があるのです。
したがって、校閲と校正ではチェックする対象が異なり、誤字脱字などの確認のみを行う校正よりも、誤字脱字の確認から文章の内容の確認まで幅広く行う校閲のほうがチェック対象が多くなっています。
校了と校閲の違い
「校了」とは校正・校閲が完全に終わった段階のことで、印刷したり、WEBサイトに公表したりしても問題のない状態のことです。
校了と校閲を比較した際、校閲はまだ誤字脱字や表記の揺れ、文章の内容をチェックしている最中であることを指し、原稿が未完成であることを意味しています。
なぜ校閲は重要なのか
記事を作成する際、校閲はとても重要な作業です。
校閲には主に3つの役割があり、それぞれ記事のクオリティを上げる以外にも重要な意味を持つため、きちんと理解して実際の作業で活かせるようにしましょう。
コンテンツの信頼度が上がる
校閲が重要な1つ目の理由は、コンテンツの信頼度が上がるためです。校閲によって正確な情報を届けられるようになり、読者やメディアそのものへの信頼につながります。
また、ミスを修正し正しい情報を提供し続けることで、自社の運営するメディアや配信するコンテンツの評価も上がります。一方で、誤情報が多いと評価は下がってしまいます。
記事の作成において、校閲は記事やメディアの信頼にも関わる重要な作業であるといえるでしょう。
コンテンツの品質が向上する
校閲が重要な2つ目の理由は、コンテンツの品質が向上することです。誤字脱字や表記ミスがなく、表記ルールに則ったコンテンツは読みやすく、質が高い印象を与えます。
この細かい確認を怠ると、低品質な記事でも公開してしまう企業という印象を読み手に与え、企業のブランディングにも悪影響を及ぼす恐れがあります。
トラブルを未然に防ぐ
校閲が重要な3つ目の理由は、事実確認を徹底することで、公開後のトラブルを未然に防げるためです。校閲では、コンテンツに記載された内容の真偽を一つひとつ精査し、読者や第三者に不利益を与える情報が含まれていないかを確認します。
校閲において、特にトラブルにつながりやすい項目は、以下のとおりです。
固有名詞(名前、会社名など)
データの数値
引用などの間違い
法に触れる表現
これらの確認を怠ったまま公開してしまうと、炎上や法令違反など、メディアの信頼を大きく損なうトラブルに発展しかねません。
WEBメディアの場合、誤りに気づけばすぐに修正できますが、1度インターネットにアップされ拡散されてしまうと、完全に削除することが難しい場合があります(「デジタルタトゥー」といいます)。
校閲を行う際のポイント
ここからは校閲を行う際、必ず押さえておきたいポイントを解説します。
①事実関係をチェック
事例やデータに基づいて記事を作成する際は、事実関係を丁寧に調べて確認しなければなりません。
ほかの文献や著作物から引用する場合は、引用元の記載内容が正確かどうかを、国や公的機関などの信頼できる情報源にあたって確認します。
また、確証が得られるまで調査を重ねることで、コンテンツの精度は高まります。一方で、どうしても確証が得られない情報については、掲載を見送るか、断定を避けた表現に書き換えるといった判断が必要です。
【PIGNOTEでの運用例】
ツールの仕様や設定手順など、参照すべきエビデンスが1つに絞られるテーマもあります。
例えば、GTM(Googleタグマネージャー)の設定方法を扱う記事であれば、参照先はGoogle公式ヘルプ一択です。このように参照先が明確な場合、運営者はAIへのプロンプトに「該当の公式ドキュメントのどの箇所を参照するか」まで明記したうえで、原稿の記述と照合させています。
事実の判断そのものをAIに委ねるのではなく、確認すべき根拠を人が指定したうえで照合させることで、確認の精度とスピードを両立させています。
実際に、アトリビューション分析に関する記事の執筆をAIに任せた時のことです。
ネット上にすでに公開されている情報をもとに文章が生成されたため、内容の一部が古い情報のままになっていました。
具体的には、GA4やGoogle広告ではすでに廃止された「線形モデル」「時間減衰モデル」などのアトリビューションモデルが、現役の手法であるかのように紹介されていたのです。
そこでGoogleが提供するGemini(Google検索と連携したAI)で内容を確認したところ、これらのモデルは2023年後半に廃止されており、現在選択できるのは「データドリブン」と「ラストクリック」のみであるという最新の仕様を教えてもらえました。
ライティングに使うAIと、事実確認に使うAIは必ずしも同じでなくてよい、というのも運営者が実務の中で得た気づきの一つです。

②表記の間違いをチェック
固有名詞(名前、会社名など)や数字(データの数値や西暦など)に間違いがないかをチェックすることが、表記の間違いをチェックする代表的な例です。
また、メディアによって「全角」「半角」のどちらかに統一したり、英数字は「半角」にしたりするなどのルールがあるため、これもチェックします。
自社メディアの校正・校閲をする際には、表記のルールを定めたマニュアルを作成しておくと便利です。
マニュアルに沿って確認するだけで済むため、ライターはもちろん、AIに執筆を任せる場合でも表記のルールを共有しやすく、校閲作業の効率化につながります。
【PIGNOTEでの運用例】
PIGNOTEでは、内容確認とファクトチェックがすべて完了した原稿に対して、最終工程として表記統一のチェックリストをAIに読み込ませ、完成原稿と突き合わせて修正候補をリスト化させています。
リストアップされた箇所は運営者が最終確認し、問題なければそのまま反映するという流れです。内容面の確認が終わったあとに表記統一を行うことで、確認の手戻りを減らしています。
③言い回しのチェック
接続詞や文末などの言い回しが正しいかどうかをチェックすることは、読みやすさ(流れや論理的文章など)に直結するためとても重要です。
基本的なことですが、文章の構造にも気を付けなければなりません。主語述語、修飾語などの表現が適切に使われているかについても注意しましょう。
また、校閲する際のコツとして、声に出して確認したり、第三者に読んでもらったりすることをおすすめします。自分では気づかない見落としがあったり、違和感のない表現だと思っていても実際は違ったりするため、第三者のチェックを取り入れることは大切です。
④矛盾が起きていないかチェック
同一記事内に矛盾した記述がないかをチェックすることも、校閲の重要な役割です。矛盾は記事の信頼度を大きく損なうため、見落とせないポイントです。
例えば、記事の前半で「コンテンツは品質が重要だ」としながら、後半で「品質よりも量が重要だ」と述べていれば、明らかな矛盾です。
こうした矛盾は一見気づきにくいため、同一記事内で繰り返し登場する情報は、都度照らし合わせて確認するようにしましょう。
差別的な表現はないかチェックする
コンプライアンスに厳しい現代において、差別的な表現や社会的に不適切であるとされる表現は校閲の段階で必ず修正します。
万が一、そのような表現を使用したまま記事を公開してしまった場合には、炎上などその後のメディア運営に支障が出る事態になりかねません。第三者のチェックを取り入れるなどさまざまな視点から不適切な表現を徹底的に洗い出し、修正するようにしましょう。
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まとめ
校閲とは、誤字脱字や表記の揺れだけでなく、事実関係や論理の矛盾、不適切な表現の有無まで幅広くチェックし、修正することです。校正が形式面のチェックであるのに対し、校閲は内容面まで踏み込んだチェックを行う点が大きな違いであり、校了は校閲がすべて完了し公開可能になった状態を指します。
校閲を丁寧に行うことは、コンテンツの信頼度・品質の向上や、トラブルの未然防止につながります。マニュアルを作成するなど正確なチェックを心掛けることはもちろんですが、人間には見落としがつきものです。見落としが起きることを前提とした、AIも活用したチェック体制の整備も検討してみてください。
本記事を参考に、コンテンツの質を高める校閲のポイントを身につけるきっかけになれば幸いです。
よくある質問
Q. 校閲と校正の違いは何ですか?
A. 校正は表記の誤りなど形式面のチェック、校閲は事実関係や論理・表現内容まで含めた内容面のチェックを指します。
Q. 校了と校閲の違いは何ですか?
A. 校閲は原稿を確認・修正する作業そのもの、校了はその作業がすべて完了し公開可能になった状態を指します。
Q. 校閲とはどういう意味ですか?
A. 校閲とは、誤字脱字や表記だけでなく、事実関係や論理の矛盾、不適切な表現の有無まで幅広く原稿をチェックし、修正することを意味します。
